あくむ
熱のせいで悪夢ばかりだ
今日いちばん上出来な夢は
あなたの父上が
今より少し若いあなたを
牢獄みたいな銀色に鈍く光る巨大な車で
連れ去ってしまう
という夢だった
夜の桜の満開の下。
何故か私は窓越しにおせんべいを手渡し、
その車が出て行くための重い重い門を開ける手伝いをした。
車が去ってからは一生懸命それをもとに戻した。
あなたの友達と一緒に煙草を吸った。
おせんべいを手渡す時の
かなしそうなはっとするような
何か言いたげな表情は
たぶんあなたなどではなくって
わたしだったんじゃねぇかという気がする
言葉を失って
何も言うことが出来ずただ連れ去られてしまう
かわいそうな「若さ」。
どこにも行くことが出来なかったが故
連れ去られるしか術のない息
かわいそうな感情。
そのまま行くしかなかったのだ
言葉がなかろうが何も持ってなかろうが。
そのまま傷つくしかなかったのに
連れ去られるよりいい方法を探したなら。
あの日や
この日の
私たち。
手を振られることもなく去ってしまった感情たち。
すべてをもっていくことなんてできやしないさ
じゃあなにをもっていこうか
それをあなたは知っている
夢の中のあなたとは正反対
痛すぎるほど知っている
だから惹かれる
惹かれてるのに引かれてる
それは実にかなしいなあ笑える。
もうすこしましになったらまた
また
いつかのお話
それは。
悪夢でならまた会えそうな気がする。
2008.04.17 | | Comments(0) | Trackback(0) | 日々
